歯の数と認知症の関連性

歯の数が少なく、義歯(入れ歯)を使用していない人は、20本以上歯がある人に比べて認知症発症リスクが約1.9倍高くなるなど、明確な関連性が報告されています。
噛む行為が脳の血流を促進し、記憶や思考を活性化させるため、歯の減少は脳の萎縮や機能低下を招く一因と考えられています。 

歯の数と認知症の関連性

  • 残存歯数: 歯が少ない(0〜9本)人は、10本以上の人と比較して認知症リスクが高い。特に20本以上ある人と比較して、ほとんど歯がなく、かつ入れ歯を使っていない人は約1.9倍~2倍、認知症リスクが上昇する。
  • 咬合(噛み合わせ): 歯が少なくても、入れ歯を使ってしっかり咬合を維持できれば、認知症リスクを約4割低下できる可能性が指摘されている。
  • 咀嚼能力: 「何でも噛める」人と比較し、「あまり噛めない(噛む力が弱い)」人は認知症の発症リスクが約1.5倍になる。 

なぜ歯の数と認知症が関係するのか?

  • 脳の血流不足: 噛む動作(咀嚼)は、脳への血流を増やし、海馬などの記憶を司る領域を活性化させる。歯を失い噛めなくなると、この刺激が減る。
  • 歯周病の影響: 歯を失う主な原因である歯周病菌が、血液に入り込み、認知症(特にアルツハイマー型)を誘発する炎症を起こす可能性がある。
  • 栄養・運動量の低下: 噛めないことで柔らかいものばかり食べ、栄養バランスが偏ったり、食いしばる力がなくなって身体活動量が減少したりすることも、認知症リスクを高める要因となる。

対策

  • 定期的な歯科検診: 歯周病や虫歯を予防する。
  • 適切な入れ歯の使用: 歯を失った場合、入れ歯やインプラントで噛み合わせを回復する。
  • よく噛む習慣: 毎日の食事でしっかりと噛むことを意識する。 

    80歳で20本以上の歯(8020運動)を維持することが、認知症予防のみならず、身体全体の健康寿命を延ばすために非常に重要である。