可能な限り削らない・・・歯を残す治療

精密なむし歯の診断

必要以上に歯を削らないように、「削る必要のあるむし歯なのか」「経過観察してよいむし歯なのか」を科学的に適切に診断することが必要と考えております。

そのために導入した装置が、主に米国やヨーロッパで使用されている最新式のむし歯診断装置である「ダイアグノデントペン」です。
土井歯科では、あくまで他のレントゲン写真などの検査と合わせ診断を行っております。

むし歯になるメカニズム

むし歯は、口の中にいる細菌が糖分を餌にして作りだした酸によって、歯が溶けた状態のことを言います。
この細菌は「ミュータンス菌」といいます。
歯の表面についた歯垢(プラーク)に潜んでおり、糖分をエサにして増殖します。

この菌は増殖する際に出す、グルカンというノリのような物質で歯に付着します。そこでたくさんの細菌の集合体が形成されます。これが増えて歯の表面の白い汚れとなったものが、プラークというものです。

また、ミュータンス菌は同時に乳酸も作り出します。そうするとプラークの中は酸性になり、接触している歯の表面のエナメル質は酸によって溶けてしまいます。この現象を脱灰といいます。

脱灰が進行しても口の中の唾液が、細菌の作り出した酸を中和し歯を修復してくれます。これを「再石灰化」といいます。しかし、歯が溶ける状態がずっと続くと、ついには穴があいてしまって、いわゆる「むし歯」ができてしまいます。

左イラスト
歯の表面は白い状態です。このままでいけば虫歯が進行し、穴が空いてきます。虫歯ができない口の中の環境にすれば、歯を削らずに、再生する可能性が高くなります。
右イラスト
溝の黒い虫歯は中で広がっている場合があります。レントゲンとレーザーで深さを確認して、深くなっていなければ削らずに経過を見ます。口の中の環境が改善されていれば、虫歯は進行せずにそのままの状態を維持できます。


左イラスト
溝の黒い虫歯が中で広がっています。歯の1/3以上にまで広がっている場合、歯を削って治療をする必要があります。このままにしておくと神経の処置が必要になるので、早期の治療が必要です。
右イラスト
歯の中で虫歯が大きく広がり、歯が欠けてしまった状態です。神経は症状がなければ残せる可能性がありますが、神経を抜かなくてはいけないことが多いです。

虫歯は一度なってしまうと自然治癒しないだけでなく、最悪の場合は歯を失ってしまうことがあるので、なるべく早めに歯科医院で治療しましょう。
早いうちに適切な治療が行えれば、痛みは少なく済みます。治療にかかる時間も短縮され、通院回数も少なく経済的負担も抑えられます。

削らない治療は二人三脚

削らないで治療するには患者様自身でもむし歯予防を行わなければ治していくことはできません。
そうしないとむし歯が進行し、削って詰めての治療が繰り返されてしまいます。
お口の環境を守るために必要な知識をつけていただけるよう、医師が丁寧に説明します。
歯を削らないためには、ご自分でも削られない口の中の環境を作る必要があるのです。
患者様と医師の二人三脚で治療していきましょう。